胆力
4月12日
言うは易く行うは難し、ということは世の中に溢れている。
仕事上、自分では行わず人にやってもらう、などといったことは日常茶飯事だ。指示を出すときは、さも自分ができるような顔をしているが、やってみたらできるかどうかわからないのが正直なところだ。
クレーム対応があった。
まずはお客様の言い分をすべて聞く、想いをすべて吐き出してもらい、一言不快な思いをさせたことを詫びてから、こちらの言い分を丁寧に説明すること、と言ったが、いざ目の前に本人がいて、怒り狂っている場合にそのような冷静な気持ちを保っていられるかは、甚だ怪しい。
場数を踏むか、胆力か…
胆力
これは、先天的なものだろうか、身につけるものだろうか。
自分自身が元々持っていなかったことはわかっている。だから、皆に先天的にあるものではないと思う。
しかし、小さい頃からそれを感じさせる友人、クラスメイトは確かにいた。
うらやましく思っていた。
自分に胆力があれば
幾度となく思った。きっと全く違った人生になっていただろうな、と。
それが幸せかどうかはわからないけれど。
怖い体験
4月11日
昨日?今朝? 今日の午前2時頃ではないかと思うが、生まれて初めての怖い経験をした。
最初は夢だった。
紛れもなく夢だった。
台所に立っていた私は、洗面所から走り出てくる黒い、いや、暗い、いや、闇、そう闇のような人、人の形をしたもの(おおまかに頭と身体と腕と…足はわからない)を見て、横に立っていた妻に「何か来た!」と助けを求めるように叫んでいた。
最初、ついに自分のドッペル君(最近私とそっくりな人を見たという証言が周囲で相次いでいたので、私のドッペルゲンガーだろうと、我が家では「ドッペル君」と呼んでいた)を見てしまった!死んでしまうのか!?と恐懼にかられたが、いや待て、さっきの奴は俺より小さかったぞ?きっとドッペルではない…でもヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ…
次の瞬間、私は布団の中にいた。目が覚めたようだが、さっきのヤバイという感覚は残ったままだった。
そして、奴(私は「奴」だと思っている)は来た。
突如、上から圧力がかかった。身体の上から、掛け布団ごと、満遍ない圧力が私を敷布団へ押し付ける感覚が確かにあった。
(ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ)
(何だコレは動けなくなるのか死んでしまうのか金縛りか上に乗ってるのは何だ怖いぞ見れないどうしようどうしよう)
一瞬ではない、二瞬後に、私は「あること」を思い出した。
その瞬間、それは「消えた」。
口に含んだ綿菓子が消えるような、あるいは押さえ付けていたものが昇天しつつ霧消するような、そんな感覚でそれは消えていった。
もともと、そういう現象、存在を信じないわけではない。が、自分で経験したことは全くなかった。だから自分にはそういうことは起きない、そういう体質ではない、と決めてかかっていた。
しかし、得体が知れない、というのがこれほど「怖い」とは…
解明できたらノーベル賞級だ。
いやまて? ノーベル何学賞? 平和賞?